土鍋で雑多煮

UnityでXR・ゲーム開発をしています。学んだことや備忘録、趣味の記録などを書いていきます。

筑波大学大学院 理工情報生命学術院 システム情報工学研究群 知能機能システム学位プログラム 一般入試 合格体験記(外部進学)

知能機能システム学位プログラム - www.imis.tsukuba.ac.jp

筑波大学大学院 理工情報生命学術院 システム情報工学研究群 知能機能システム学位プログラムに合格したので、その体験を残しておこうと思います。
外部進学で一般入試受験の記事が見当たらなかったので、誰かの参考になれば嬉しいです。

はじめに

当たり前ですが 外進で一番大変なことは情報を集めること です。

外進の場合、研究室の雰囲気、院試の詳細を知るのは気軽にはできないです。

そのため、動き出しは速い方がいいと思います。
研究計画を書く以上、自分が一番興味があってスムーズにアイデアを思いつく研究領域の研究室を見つける必要があります。オープンキャンパスや見学会にいって様々な研究室を見るべきです。
外進のメリットは選択肢が豊富なことですしね!
また研究室が決まっても研究計画は迷走するので、時間を取られると思っておいた方がいいです。

私の経験を書きますが、人それぞれ合う方法があると思いますので、あくまで参考程度にしてください。

外部大学院進学を決めるまで

大学ではVRサークルに加入し、VRゲームを開発していました。
1,2年の頃は就活と院進半々で考えてインターンなどにも行っていました。
学部3年のときはIVRCという学生VRコンテストに向けて開発を行い、最終的に審査委員会特別賞を頂きました。

この頃にはこの領域を大学院でも研究したいと思うようになったのですが、私の所属研究室の先生が私の代を最後に退職するということで、必然的に研究室を探すことになりました。 しかし、その研究室以外私の大学にはXR関連の研究室がなかったので外部進学を志すようになりました。

志望研究室決定

2022年12月までIVRCの開発やコミケに向けたゲーム開発をしていたので、志望研究室を探し始めたのは年が明けてからでした。 年明け以降平日は毎日長期インターンに行きながら、ひたすらVR・AR・MR関連で志望研究室を探しました。

そんな中で筑波大の知能機能システム学位プログラムでは興味のある研究室が複数あると思い、3月のオープンキャンパスに行くことを決めました。

オープンキャンパス

オープンキャンパスは多くの大学院の場合11月~翌年6月くらいにかけて開いているところが多いです。
研究室独自で見学会を開いているところもあるので情報収集大事です。
もし見学会がなくてもメールを送って見学できないか聞いてみると受け入れてくれるケースもあるみたいです。
また、夏休みなどにインターンやサマースクールのようなものを開催している研究室もあります。

知能機能システム学位プログラム

私は3月の対面のオープンキャンパスに参加しました。 オープンキャンパスは対面とオンラインがありますが、個人的には対面が良いと思います。 デモを見ることができますし、教授の方々と直接お話できる機会は大変貴重なのでおすすめです。
研究室の学生の方々から院試の情報を聞くことができるのが外進の人的には重要かもしれません。

今年のオープンキャンパスアーカイブ

志望指導教員決定・指導教員の許諾

志望指導教員はオープンキャンパスで出会った先生と直接お話させていただいた際に、お話頂いた研究テーマがとても興味深く、また、話していてこの人のもとで研究したい!絶対楽しい!とビビビッと感じたので、かなり直感で決めました。

その後、メールで志望研究室の先生に第一志望にする旨を伝え、許諾を頂きました。 オープンキャンパスで先生との面談も済ませていたのでスムーズに話が進みました。

試験対策

一般入試(8月)試験内容

博士前期課程 募集要項 | 筑波大学大学院 募集要項

200点は成績なので、他の大学院と比べると学部時代の成績重視されているんでしょうか…?
ちなみに私の成績はさほど高くないです。(高かったら推薦受けている)

外部英語試験はTOEICを使用する人が多いようです。入試と違って何度も挑戦できるので、一年前くらいから挑戦しておくと試験直前で焦らずにすみます。 (私はギリギリまで焦っていた人です)

専門科目は数学だけですし、内容も線形代数と解析と複素解析だけなので、比較的受験はし易いと思います。

研究計画

私の場合は自分である程度書き上げて、志望指導教員の方に見てもらいました。 ただこれは研究室によっては先生と考えていく形の場合もあるかもしれないです。

ちなみに研究計画はめちゃくちゃ迷走しました。
志望先の研究分野に近いものというのは当たり前ですが、それでもまだまだ広いのでなかなか手をつけられませんでした。 そこからアイデアを大量に出して一番書きやすいものを選び、それに関する関連論文を探し、手法を検討し、書き上げていきました。

しかし、研究目的を失って手法ばかり検討してしまったり、矛盾が発生したり、無限に迷走しました。
これに関しては一人じゃ解消が難しいです。
私は志望研究室の先輩や大学の友人、開発者コミュニティの方々に添削してもらいました。本当にいろんな人にお世話になりました。

研究計画はあくまで"計画"なので、背景と目的はしっかり書いたほうが良いです。なぜ研究する必要があるのか、新規性はなんなのか、それが伝わるように書くと良いと思います。
具体的にどのように研究計画を書くと良いのかは私も最良の手法を知らないので、ここには書きません。

TOEIC

2022年秋ごろからちょくちょく受験したのですが、なかなか点数は上がりませんでした。
さすがにまずいと思い2023年からはスタディサプリを契約し、勉強しました。
最終的に受験者の平均くらいにはなったのかなと思います。

数学

私は学部一年のときに線形代数と解析をやってからまるで勉強していなかったので、初めは一問も解けませんでした。 後述する参考書・問題集を解きながら、自分なりのまとめノートを作りながら勉強していました。

スケジュール

4,5月 ほとんど忘れている線形代数と解析を総復習。
6,7月 応用問題、複素解析
7,8月 過去問と関連する問題

使用した参考書・問題集

自分の使った参考書・問題集を貼っておきます。

明解演習 線形代数


かなり細かい説明があって問題数が多いです。個人的には少し難易度は高かったので、別のやつでざっとやってからのほうが良いかもです。

1冊でマスター 大学の微分積分


大学一年の時にやってから、ほとんど勉強していなかったので、これで思い出しました。
問題は簡単めですが、説明が分かりやすかったです。

編入数学徹底研究


一番良くまとまっていて、試験範囲もカバーされています。これがスムーズに解けるのであれば、試験は問題ないと思います(おそらく)。 問題数が少ないので、別の問題集でカバーする必要があると思います。

編入数学過去問特訓


上の本で足りない分を補えると思います。

その他参考になったサイト

当日

前日からつくば駅近くのホテルに泊まりました。当日の朝は臨時バスが出ていたのでバスが混みすぎて乗れないということはないと思います。

服装についてですが、事前に電話したところ何を着ても良いとの話だったので、私服で行ったのですが、9割スーツでした…
しかし、合格しているので合否には関係ないです。ただ精神的にやらかした気持ちになるので、スーツの方が無難な気はします…

数学

試験内容は口外しないでくださいと注意書きに書いてあったような気がするので、具体的には書けません。
大きめの部屋でまず問題を解き、口頭試問のために小さめの別室に移動し、プロジェクターに写しながら先生方からの質問に回答するという形です。

プレゼン

志望理由、これからの研究計画、卒業研究のテーマと内容についてのプレゼンがあります。 時間は5分間で、4分のときにベルが鳴ります。書画カメラに映すとプロジェクターで表示されるという形なので、PCは使用できません。 プレゼン後、その内容について質疑応答があります。

プレゼンの練習は紙を置き換える時間や自分がテンパることを予想して4分45秒くらいでできるようにしていたので、時間が足りないということはありませんでした。
質疑応答はある程度予想していた内容でしたが、緊張で言葉が出てこなくなりました。なんとか答えましたが、日本語喋れていたか記憶がありません。 自分の研究計画に関する周辺知識や自分の研究計画がどのようなものなのか、しっかり事前に考えていたほうが良いと思います。そうすれば、ある程度詰まることがあっても質問に回答できるはずです。

終わりに

まわりはみんな就職なり内部進学なりで進路が決まっていく中、一人だけ決まらないのはめちゃくちゃつらいし、孤独です。 成績もっと取っておけば…就活のほうが良かったのか…などひたすら後悔や不安が付きまとい、自己評価もめちゃくちゃ下がっていました。

ちなみに7月にNAISTも受験したのですが、落ちました。それもあって相当焦りと後悔で7月後半はかなり精神的に辛かったです。頭痛が治まらないなど体にもかなり影響が出ました。

しかし、諦めずに頑張って本当に良かったです。
大学院でのXR領域の研究が楽しみです。

具体的な話(試験内容等)はあまり書きませんでしたが、研究室見学に行けば教えてもらえますし、DM等で質問頂ければ私も答えられる範囲で答えます。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

私の受験を助けてくれた方々、応援してくれた方々、本当にありがとうございました。

この記事がどなたかの参考になったのであれば嬉しいです。